淡路医療センター循環器内科様

手軽に長時間測定できる
ウェアラブル設計で
地域医療の連携に貢献する

淡路医療センター循環器内科様 /
おのころクリニック様

ロータスハート

兵庫県の最南端に位置し、瀬戸内海に浮かぶ淡路島。この島の健康を支えているのが、島唯一の公立病院であり、中核病院でもある兵庫県立淡路医療センターです。
同病院の循環器内科では長時間心電用データレコーダー「ロータスハート」が活用されています。

今回は淡路医療センター循環器内科医長であり、不整脈の専門家でもある山下宗一郎先生に「ロータスハート」の導入に至った経緯とご利用いただいた感想を伺いました。
また後半では、島内でクリニックを経営し、淡路医療センターと連携しながら「ロータスハート」を活用されているおのころクリニック院長の岩崎正道先生にも地域のクリニックからの視点でお話を伺っています。

淡路医療センター循環器内科医長山下宗一郎先生

淡路医療センター循環器内科医長 山下宗一郎先生
  • ロータスハートを導入されたきっかけ、背景を教えてください。

    山下先生

    今までの1週間ホルター心電図では、解析を院内で行わないといけなかったため、マンパワーの問題がありました。そんな中で豊田通商が解析サービスを提供していることを知り、試験的に使わせてもらって導入を決めました。検査中に着脱が可能で貼る位置も調整できること、あとはやはり解析をしてくれるのが一番の決め手でした。人の目も入った上で、しっかり解析をしてくれる。その精度も申し分ないですし、期外収縮もかなり正確に検出できていると思います。かつそれを安価で利用できる点にも満足しています。
    長時間計測は今ニーズがすごく高まっていると思います。エビデンスも豊富に出てきており、使わない手はないですよね。

  • 現在はどのような患者さんにロータスハートを利用していますか?

    山下先生

    不整脈の検出、動悸症状の診断、そして心房細動アブレーションの再発確認です。最後の再発確認が、ほぼ8割を占めています。
    今、月で平均すると25件くらい使用の実績があって、その約8割が術後のフォローということですね。術後フォローの患者さんは3か月に1回外来に来てもらっています。心電図を取るのは年1回か、半年に1回です。繰り返し使っている患者さんもたくさんいます。

    基本的な流れとしては、外来のあとに患者さんに生理検査室に寄っていただいて、そこで検査技師が説明と装着まで行います。その後、患者さんにはお帰りいただいて、1週間経ったら、ご自身で外して、郵送いただきます。前と大きく変わったのは、その後に院内で解析をしないことですね。

  • 患者さんからの反応はいかがでしょうか?

    山下先生

    着脱に関しては特に患者さんの評価も上々です。やはり検査後に機器返却のためだけに病院に来なくていいのが楽だと聞きます。1週間で来なくていいというのと、着脱可能で入浴もできる点が患者さんの受けのいい部分です。
    1日ないし2日連続でホルターの付け外しを行うと、付け外しのたびに病院に来なくてはならず、患者さんも嫌がります。しかも淡路島には電車がないので車での移動になってしまいます。移動の手間を省く意味でもレターパックでの郵送システムは重宝しています。これは地方の方が特に当てはまることかもしれません。

淡路医療センター循環器内科医長 山下宗一郎先生
  • 検査フローに関してはいかがですか?

    山下先生

    レポートが送られてくるまでの時間は早くなりました。以前、一度、患者さんが装着している時に倒れたという事象があって、その時も途中経過で確認ができたのがよかったです。早期治療に繋がるし、すごく強みだと思います。
    全てクラウドで完結できたらいいんですが、今は最終的には印刷したレポートをスキャンして電子カルテに取り込んでいます。

  • 製品の改善してほしい点などはございますか?

    山下先生

    電極ですね。シールかぶれは複数の患者さんから声が上がっています※。電極を変えるなど、色々とこちらでも工夫しています。ある程度落ち着きましたが、やはりまだあるため、汗をかきやすい夏場は患者さんに使用しづらくなっています。 ※現在は病院側で電極を選べるようにし、対策を実施。

  • 今後ロータスハートをどのような用途で活用したいとお考えでしょうか?

    山下先生

    さっきも言ったように完全クラウド化ができたらいいですよね。クラウドで、他院からの紹介でも患者情報を共有できるというのが理想です。現状はCDや紙で送られてくることがほとんどなので、無駄が多いと感じます。完全クラウド化して、クラウド上で各病院が患者の解析結果を閲覧できるようになるといいと思います。

  • 地域の医療機関との連携の部分で今後期待されていることはありますか?

    山下先生

    同じですね。クラウドで、基本的に全地域で共有出来たらいいと考えています。ただ、なかなかハードルは高いです。紙で見たいという先生もまだまだ多くいらっしゃいますし。
    実際に試してもらわないとなかなか伝わらないとは思います。実際に使ってこの手軽さを皆さんに知ってもらいたいですね。

淡路医療センター検査部技師の
皆様の声

  • みなさまの声

    以前は何日もかかることがあった解析を委託することで、全く作業をしなくてもよくなったので大変助かっています。

  • みなさまの声

    ロータスハートは入浴時に外してまた簡単に装着できるので、剥がれる心配がないし、波形も安定している印象です。

淡路島の南あわじ市に位置するおのころクリニックは2024年に開院しました。淡路医療センターにも勤務されていた岩崎正道先生が院長を務め、地域医療支援ネットワークシステム「あわじネット」にも参加し、淡路島の医療を支えています。

おのころクリニック院長岩崎正道先生

おのころクリニック院長 岩崎正道先生
  • ロータスハートを導入されたきっかけ、背景を教えてください。

    岩崎先生

    ロータスハートはクリニックを開設した時から導入しています。
    当クリニックは循環器科を掲げており、不整脈の疑いで沢山の患者さんが直接もしくは紹介で来られますので、ホルター心電計が必要です。ロータスハートはサービス内容が充実していたことにより導入台数の見極めもしやすく、また運用コストも抑えることができたので、置いておけば必要に応じて患者さんに提供でき、一番導入しやすかったですね。
    実際に初めは4台ぐらいあれば絶対に足りるだろうと考えていたんですが、同日でも、複数台出ることもあるので、患者さんから機体が返却される前に別の機体での検査対応が必要になることもありました。当初思っていたよりも検査が出るという印象です。

  • クリニックでは主にどういった患者さんにロータスハートを使われていますか?

    岩崎先生

    現状は月平均5、6件程度ですが、ほとんどが動悸症状のある方の不整脈検査ですね。あとは健診で期外収縮が引っかかっていた人の場合、頻度をチェックした方が今後の治療方針に関する話をしやすいので調べましょうと言って使用しています。自覚症状があって来院された患者にはその日にすぐ付けて帰ってもらうこともあります。当施設は準夜帯、20時30分まで開けているので、仕事をされている世代が中心となっています。ちょっとした症状だから置いておいたとか、健診で不整脈が引っかかっていたけれど、行く時間が取れなくてとか、そうした方が多いですね。

  • 従来の検査方法と比べるとどういった部分が変化しましたか?

    岩崎先生

    長時間検査できるようになったのがメリットですね。従来ホルターの検査期間は24時間ですが、やっぱりちょっと短いと思います。1週間記録できて、その間に症状がないという方が患者さんも納得しやすいです。24時間だといつも言っていた症状が出なくても、その次の24時間に出ることもありますし、7日間記録して1日だけ不整脈が出ていた方も実際におられました。

おのころクリニック院長 岩崎正道先生
  • 患者さんからの反応はいかがでしょうか?

    岩崎先生

    入浴時に一度外して、また装着を患者さんにしてもらう部分に関して、操作のところで心配していましたがトラブルは全くないと思います。扱いが簡便なんだと思います。

  • 解析結果のレポートに関してはいかがですか?

    岩崎先生

    レポート自体は見やすいです。全体波形をPDFで全部見ることができるのも助かりますね。あと期外収縮もカウントしてくれるので、それも患者さんへの説明に使いやすいです。

  • 基幹病院とクリニックの連携といった観点で、ロータスハートが果たしている役割はありますか?

    岩崎先生

    地域のクリニックに来院された患者さんのうち、基幹病院に紹介しないといけないような不整脈が見つかる確率は実はとても少ないんです。そのため、動悸やめまいを訴える患者をクリニックで検査せずに全て病院に紹介していると、病院側の検査のリソースに大きな負荷がかかってしまいます。だからこそ、かかりつけ医のような地域のクリニックで検査できた方がいいと思います。
    何かあれば病院に結果の共有もできますし、直接山下先生に相談することもあります。
    なにより1週間ホルターは患者さんの安心のために行っている部分が大きいです。動悸症状がある方でも自己検脈で判断することは意外と難しく、やり方をお伝えしてもご自身ではなかなかできません。不整脈のない方でも拍が飛んでいると感じる方もいます。そうした際に心電図を記録して、症状がなければ安心してもらうことができますし、単発の期外収縮が原因かもしれないということがわかれば、それもまた安心につながります。

    スクリーニングとしての地域のクリニックの役割が果たせることが地域医療にとってのメリットになると思っています。

基幹病院とクリニックにおけるそれぞれの役割が、ロータスハートの活用法の違いにも現れたインタビューとなりました。
クリニックでのスクリーニングで発見した患者を基幹病院へと紹介し、治療後のフォローをまたロータスハートで行うという形は地域の医療連携としても理想的な活用法ではないでしょうか。
またロータスハートはクラウドによりデータ管理を行っている強みを活かし、今後は山下先生が望んでいたようなひとつの施設だけでなく、複数の施設でのデータ共有を実現することで、よりスムーズな地域の医療連携を可能にしていきたいと考えています。

山下先生、岩崎先生、技師の皆様、この度はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

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